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筆者もパーソナリティ障害
この記事を書いているのは、自身にもパーソナリティ障害傾向がある当事者です。
診断をもらうのはめんどくさいというのと、そもそも診断されるには「日常生活で困っているか」という点が大前提となるので、診断をもらったことはありません。
ただ学生時代から、自分の病理についてなんとなく疑いは持っています。
機能不全家族で育ったり、心が幼稚な自覚があるからです。
二次的な問題として、鬱・ADHDの傾向もあり、処方された薬を飲んでいます。
早稲田大学を卒業後、大手カード会社で働いていましたが、今はウーバー配達員で貧困層です。
そんな自分が、自己愛性パーソナリティ障害とは何なのか解説していきます。
詳しいプロフィールはこちら
「高学歴貧困層」がプチバズったけどインフルエンサーになれなくて絶望したツチヤミとは
※参考にしたサイト・本などは最後に紹介しています
自己愛性パーソナリティ障害とは
自己愛性パーソナリティ障害とは、ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて特別でなくてはいけないと感じてしまう病理のことです。
すごい直感的に言ってしまえば、心が幼稚で、常に承認がなければ生きていけない人というイメージです。
ナルシストと呼ばれることもあります。
パーソナリティ障害とは
そもそも広いくくりとして、パーソナリティ障害という概念があります。
考えや行動が社会から著しく逸脱しており、生活ができなかったり、苦痛を感じる病理が含まれます。
具体的には、
- 妄想性、統合失調性パーソナリティ障害(A群)
- 自己愛性、境界性、演技性パーソナリティ障害(B群)
- 回避性、依存性パーソナリティ障害(C群)
- 抑うつ性、受動攻撃性パーソナリティ障害(特定不能)
などの分類があります。
人の考え方や行動様式は様々で、一定の範囲なら「性格」と言われます。
「性格」があまりに極端だと、障害と呼ばれるレベルになる、といった感じです。
自己愛性パーソナリティ障害の特徴
今回解説する自己愛性パーソナリティ障害は、パーソナリティ障害の中でB群に分類されます。
特徴は以下の通り。
- 人より優れていると信じている
- 自分は特別だと信じている
- 権力、成功、自己の魅力について空想を巡らす
- 業績や才能を誇張する
- 絶え間ない賛美と称賛を期待する
- 非現実的な目標を定める
「自分は凄い」という感覚に支配されているのが大きな特徴。
「天才」「先生」「インフルエンサー」といった、特別な人と認められることにこだわります。
他にも、
- 他人の感情や感覚を認識できない
- 他人が自分のアイデアや計画に従うことを期待する
- 人を利用する
- 劣っていると感じた人々に高慢な態度をとる
- 他人を嫉妬する
- 嫉妬されていると思い込む
- 人間関係においてトラブルが見られる
主に「人間関係」において、他人を利用したり、高慢な態度を取ったりしてしまうのもこの病理。
自分が偉いので、相手は従って当然という感じでしょうか。
職場にいるとやっかいだし、ツイッターではよく見かけます。
残念ながら自分にも、このような感覚があります。
- 容易に傷つく
- 拒否されたと感じる
- 脆く崩れやすい自尊心を抱えている
- 感傷的にならず、冷淡な人物であるように見える
もう一方の特徴としては、傷つきやすいという点が挙げられます。
弱い自己が根底にあって、自分を守るために、「特別な自分」を装っている感じです。
適応できなくて鬱
パーソナリティ障害者は、別のパーソナリティ障害や、精神疾患を併発することもあります。
例えば自己愛性パーソナリティ障害が原因で会社に溶け込めなければ、「なんで人生うまくいかないんだろう」ということで鬱になります。
鬱の原因を探っていったら、実は根底にあるのは自己愛の問題ではないか、と見つかるケースもあるようです。
自己愛性パーソナリティ障害の原因
「特別でない自分に価値はない」と無意識レベルで思ってしまう、悲しき病の原因はなんなのでしょうか。
以下のような原因が考えられています。
- 生来の過度に敏感な気質
まず「生まれつきそのような性格、障害があった」とする説明です。
- 現実に立脚しない、バランスを欠いた過度の称賛
- 悪い行動には過度の批判が幼少期に加えられた
- 親、家族、仲間からの過剰な甘やかし、過大評価
- 並外れて優れた容姿、あるいは能力に対する大人からの称賛
- 幼少期の激しい心理的虐待
- 予測がつかず信頼に足らない親の養育
- 親自身の自尊心を満足させるための手段として評価された
次に「育った環境に問題があった」とする説明です。
親から甘やかされて育ったり、反対に厳しく育てられたりすると、性格が歪むのは想像しやすいです。
無視されたり、親の見栄の道具として育てられるのも原因と考えられています。
本来人間は、親から適切な承認を得ることで、「自分は特別な存在なんだ」と認識します。
「特別な存在なんだ」という認識が得られなかった人は、大人になっても「特別な存在」にこだわり続けます。
まさに体は大人、心は赤ちゃんという感じ。
「特別な自分を認めてよー」という幼稚な感覚が残ってしまうと、社会に適応するのは困難です。
自分もあまり精神的に発達してない両親に育てられ、「特別な自分」を卒業できなかった人間です。
自己愛性パーソナリティ障害はインフルエンサー向き?
心が幼稚で、わがままな自己愛人間ですが、こだわりや特別な存在になりたいという欲求を、長所に変えた例もあります。
例えば作家や芸術家として成功した人の中には、自己愛傾向が強かったとされる人物がいます。
三島由紀夫やサルバドール・ダリが典型とされています。
最近ではインフルエンサーと呼ばれる、インターネット世界で注目を集める職業が生まれています。
ここからはかなり私見を含みますが、インフルエンサー業も、自己愛傾向を活かしやすいと考えています。
自身を前面に出し、特別なコンテンツを作るためには、自己愛的な感覚が必要だからです。
自分が見つけた「この人、自己愛っぽいなー」というインフルエンサーは以下の通り。
※完全に独断と偏見です。
※公開時に複数の方のお名前を挙げていましたが、名誉毀損にあたる可能性があるとの指摘を受け、消去させていただきました。
※えらてん氏に関してはTwitterで「まあ俺はいいけど」と言っていたので掲載許可と解釈します。
えらいてんちょう
最近はちょっと調子よくなってきて色々やりたくなってしまうけど躁スイッチが入らないようにあまり手を広げすぎず少ないことをやることに注力しております。
— えらいてんちょう (@eraitencho) March 29, 2021
最後は、実業家、作家、YouTuberとして活動するえらいてんちょう氏です。
著作に『しょぼい起業で生きていく』『しょぼ婚のすすめ』。
YouTubeのチャンネル登録者数は15万人超え、Twitterのフォロワー数は4万人超えです。
彼が自己愛っぽいと思った理由は、極端なアンチ活動と、生育歴です。
えらてん氏といえば有名インフルエンサーや政治家に対し、炎上商法をしかけることで有名。
例としてはNHKから国民を守る党に対し、反論するような立場を取ったことが挙げられます。
大物に対し反論の立場を取るというのは、通常の人間であれば躊躇しがちです。
えらてん氏のように躊躇なく噛み付いていける背後には、自己愛人間の歪んだ自己主張という特徴が隠れているのではないでしょうか。
また生育歴に関して、
- コミューンで育った
- 兄と25歳離れている
- 6歳ごろまで母親を知らなかった
といった発言をしています。
通常とは異なった生育歴が、えらてん氏の激しい主義主張や、作家・YouTube活動の原動力となっている可能性は高いと思います。
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令和のダメなところ→労働者を極めても労働者とバレている点。令和のいいところ→しょぼい経営者にすぐなれる点。
(『しょぼい起業で生きていく』のレビュー記事です)
自己愛性パーソナリティ障害とうまく付き合おう(まとめ)
自身にその傾向があった時はもちろん、周囲にいても問題を引き起こす、自己愛性パーソナリティ障害という病理。
障害と呼べるレベルでなくとも、傾向が思い当たる人は結構いるのではないでしょうか。
周囲にいた場合は、「そういう人なんだ」と諦めて、うまく付き合ってくことが重要。
ふつうに指導・反論などしても逆効果なので注意です。
自分に自己愛傾向があると気づいた場合は、専門家に相談するなど、対処法を考えましょう。
短所を長所にしたいなら、ブログ・ツイッターをやるなど、自分のこだわりが活かせる活動をするのも手です。
「自己愛性パーソナリティ障害」という概念が広まり、皆さんや皆さんの周囲の問題解決に繋がれば幸いです。
では今回は以上になります。
勝手に名前を出してしまったインフルエンサーの皆さん、すみませんでした。
参考 自己愛性パーソナリティ障害wikipedia 参考 パーソナリティ障害wikipedia 参考 パーソナリティ障害の概要MSDマニュアル家庭版
↑参考にした『パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか』はKindle unlimitedでも読めます。
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